
暴走した政治と権力。そして繰り返される悲劇。
この物語は国家権力と歪んだ政治に立ち向かおうとする少年のお話。
あまりに残酷で怖くて絶望的で読んでいて泣きそうになってしまった。
人間が人間を支配する権利など この世に存在しない。存在しないのだ。
それは人間社会の存在そのものを否定する きたならしく いやらしい
野獣的な私有欲にすぎない。そういうものなのだ。権力とは。
山上たつひこはこれを描いた後に右翼団体に刺されたという噂。
けれども『光る風』は長いものにまかれる心理、復讐心理、集団心理、
普遍的な人間の性質を嘆き、描いたもので、決して左翼思想や
軍国主義の愚かさだけを伝えたいが為に描いたものではない。と思う。
もっともっと深い部分で人間の在り方を伝えたかったんじゃないかと。
ホント考えさせられる作品だった。ホラーとはまた違う怖さがあった。
今この漫画が現実になろうとしている気がする。それが1番怖い。
ちなみに山上たつひこはあの超有名下品漫画『がきデカ』の作者です。
なんというギャップ。刺された時に頭も打ったんだ。きっとそうに違いない。